
吾輩はフリーランス猫である。仕事はまだ、それほどない。
この社会を自由に生きられる方法を拾い集めている真っ最中である。
自由な働き方が魅力のフリーランス。だけど、自分自身を律する強い気持ちを持っていなければ、すぐに生活が乱れてしまいます。
そのだらしなさが食生活に現れると、もう大変。部屋の体重計の存在がストレスに。
「あなたの顔なんて、見たくないわ!」
体重計との関係が破局前の同棲カップルのようになってしまいます。

できれば毎日、体重計に乗ることが楽しみな生活を送りたいものですよね。
今回は4カ月で15kg減!(今のところ大幅なリバウンドなし)の実績を持つ、フリーランス猫がダイエットに大切なマインドについて語ります!

ダイエットは手段よりもまず、マインドの切り替えが大切
さぁ痩せるぞ! と、意気込んで脱落した人の数。それはきっと、この広大な宇宙に瞬く星の数ほどあるでしょう。
かく言う私も、何度もお星さまになってしまった経験があります。
キラーンなら良いのですが、ボヨ〜ン…。理想の自分から光の速さで遠ざかっていました。
いろいろなダイエット方法を試しては失敗し、挫折を繰り返す日々。
そんな中、私はあるとき自分の失敗の共通点に気づいたのです。それが…
ダイエットの手段をいくら変えても
自分自身の考え方が変わっていなかった
ということ。
そうしてようやく、ダイエット成功への道が開けたのです。
ダイエットは手段よりもまず、マインドの切り替えが大切です。というよりも、マインドさえ切り変われば、手段はどれを選んでも効果がでます。なぜそんなにマインドが重要なのでしょうか。その理由は人間に備わっている「ホメオスタシス」という機能を理解すると分かります。

「ホメオスタシス」は生命維持のために必要な機能
ホメオスタシスは日本語で「恒常性」と訳されます。
ホメオスタシスとは現状をできるだけ維持しようと働く力のことです。
例えば、人は暑い場所に行くと汗をかきます。これは汗で体を冷やそうとするからです。逆に寒い場所にいくと毛穴を閉じるなどして、放熱を防ごうとします。人は無意識に、外気温が暑くても寒くても体温を一定の状態に戻して維持しようとするのです。
これはホメオスタシスのほんの一例です。他にも、甘いものを食べたときに上がってしまった血糖値を下げるため、ホルモン(インスリン)が分泌される例などがあります。血糖値を正常な状態に戻して維持しようする力が働いているのです。
以前免疫力について書きましたが、これも菌やウィルスによって異常をきたした体を元に戻そうとするホメオスタシスの力と言えます。
人が生きていく上で、ホメオスタシスはなくてはならないものと言えるでしょう。
意思レベルにまで影響を及ぼすホメオスタシス
生命維持のためにホメオスタシスは必要な機能ですが、厄介な面も持ち合わせています。
体温調節や血糖値の調整などは無意識に行われているものですよね。ところが、ホメオスタシスは人の意思レベルにまで影響を及ぼしてくるのです。

意思に働きかけてくるホメオスタシスとはどんなものでしょうか?
例えばあなたが長年、事務職をやってきた会社員だったとします。
突然、会社から名も知らぬ国への出向を命じられたらどう感じるでしょうか?
よほどの旅好きでない限り「住み慣れた日本にいたい」と、思うはずです。
突然、会社から営業職への部署移動を命じられたらどう感じるでしょうか?
営業に興味を持っていれば別ですが、普通は「嫌だ」と思うはずです。
人は「慣れた環境」を離れることに強い抵抗を覚えます。
現状を維持していたいというホメオスタシスが働くわけです。
もっと分かりやすい例が、キャッシュレスです。
キャッシュレス決済のほうが遥かに便利なのに、なかなか現金払い主義を変えようとしない人がいます。これも、今までのやり方を変えたくないというホメオスタシスが働いているからです。

ホメオスタシスがダイエットの敵になるとき
意識のレベルに影響するホメオスタシスは、ダイエットの天敵になります。なぜなら、どんなに痩せたいと思っていても、自分が一番心地よいと思う現状に戻ろうとする力が働くからです。
太っている自分に心地良さなど感じていない、ずっとそのままでいたいとは思っていない、と言う人もいるでしょう。しかし、ホメオスタシスは良くも悪くも自分に正直なのです。
あなたは、表面上は痩せたいと思っているかもしれません。しかし、それよりももっと心の奥、脳の深い潜在意識の中ではこんなふうに思っていませんか?
「痩せたいけれど、本当は好きなものを好きなだけ食べて飲んで、運動はせずにごろごろ寝ていたほうが幸せだ。つらくてきついことは、できるだけやりたくない…」
心にグサッと来た人も多いと思います。
ホメオスタシスは本能的に「こうなりたい」と思っている自分を叶える機能です。敵に回すとかなり厄介なモノになるわけです。
マインドを切り替えて、ホメオスタシスを味方にする方法
ホメオスタシスは、現状に戻ろうとする力。では、既に太っている人は永遠にダイエットに成功できないのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。
「太っていてもいいや」という、潜在意識を根底から覆すことができれば痩せられます。ホメオスタシスは現状に戻ろうとする力です。ですから、太っている今の自分を潜在意識レベルで「異常」だと思えたら、あとは自然に痩せていきます。
ホメオスタシスの機能を逆利用しましょう。
今の自分を無理して変えようとするのではありません。
あなたは既に今、無理をつづけて意図せず太ってしまった状態なのです。
もう無理はしなくて大丈夫。安心して元の自分に戻ってください。
痩せていた経験がある人はその時のことを思い出しましょう。経験がない人でも痩せた自分をリアルに想像し、その姿こそが「通常の自分」だと思い込むのです。
さて、肝心なのはその思い込ませ方。コツがあるのでご紹介しますね!
食べすぎのデメリットを上げられるだけ書き出す
美味しいものを食べているときはたしかに幸せを感じます。食べること自体は何も悪くありません。問題は食べすぎること。食べ過ぎをやめられたら、ダイエットはほぼ成功したも同然です。
食べ過ぎで得られるプラス面は、一時的な満腹感のみ。では、その一時的な幸せと引き換えに犠牲になっていること、どんな要素があるでしょうか?
食べすぎ生活のデメリット
・お金がかかる
・健康を害する
・食事のたびにお腹が苦しい
・食後は眠くなる
・どんどん太っていく
・疲れやすくなる
・寝苦しくなる
・着られる服が限られてくる
・動くのが億劫になる
・息切れしやすくなる
・体臭がきつくなっていく
・陰口を叩かれやすくなる
・人に会いたくなくなる
まだまだ上げようと思えばいくらでも出てきます。これらを思いつく限り書き出してください。どんどん書き足していってもかまいません。
書き出したものを何度も読み返し、頭にインプットします。食事の前に思い出せるようにしましょう。自分がどれだけの犠牲を払おうとしているのか、言い聞かせるのです。
そうして食べ過ぎを我慢できたら、その都度自分を褒めてあげてください。
「賢い選択ができた! これが本来あるべき自分なのだ!」
食事の度に自分を好きになれるチャンスが生まれるのです。
弱い自分に勝てる快感は、満腹感の何倍も爽快ですよ!
食事の本来の目的を思い出す
現代人は食事の本来の目的を忘れてしまいがちです。ほとんどの人の食事の目的は「空腹を満たすため」ではないでしょうか。
お腹が空いたら物を食べる。食事の時間だから食べる。淡々と繰り返す毎日。
飽食の時代、食料のありがたさを感じにくくなった私達の良くない一面かもしれません。
食事は、生きるためにとるものです。
食事は、自分の体を作るためにとるものです。
目の前の食事が、あなたの血となり肉となります。食事の栄養によってエネルギーを得て、あなたは日々を生きていけるのです。
太りやすいファーストフードやスナック菓子ばかりを食べている人は、この目的を見失っています。口の中に入れたときの舌先が満足ならばそれで良い。そう思いながら、人工的な味のついた体に良くないものを次々に口の中へ放り込みます。
食事は舌先を喜ばせるのではなく、体を喜ばせるためにとるものです。
明日を生き抜く力を、スナック菓子だけで得るのか、自然の恵みから得るのか。その差は歴然です。
食事を前にしたときに「これが明日の自分の体を作るんだ」と、認識するようにしましょう。だんだん無意識に食生活を見直せるようになっていきます。

もう無理はしなくて良い
いかがだったでしょうか? ホメオスタシスを理解してマインドを切り替え。
そうすると自然に理想の自分へと「戻っていく」ということが分かったかと思います。
ダイエットの目的を単に「痩せること」とする人も多いですが、もう一歩先の健康までを考えてみましょう。理想の体と健康を手に入れられたら、毎日が幸せです。仕事もはかどりますし、いろんな人に会いたくなります。
健康は幸せと同じくらい、全人類が望んでいることです。
あなたの成功体験は、きっと誰かの役にも立つでしょう。生きる喜びを感じられるに違いありません。
たまには贅沢をしてもかまいません。ただ、無理をして太る必要はないということを自分に言い聞かせてください。自分が最も心地よい体型に、早く戻りましょう。
健康と幸せが、あなたに訪れますように。

それでは、またナァ!