
吾輩はフリーランス猫である。仕事はまだ、それほどない。この社会を自由に生きられる方法を拾い集めている真っ最中である。
コロナウイルスが流行して、大変ですよね。
ネガティブなニュースばかり目立っていますが、注目すべきは完治者もいるところ。
ワクチンがないことで恐れられていますが、人間が持つ自然治癒力によって退治できる場合があるのも事実です。
国がどんなに対策を打っても、ウイルスが今どこにいるのかは分かりません。最後に頼りになるのはやはり自分自身の体です。

食事のバランスを考えたり、運動をしたり、多くの人が健康に気を遣っていると思います。でも大切なのは、それらのやり方が正しいのかどうかです。

ウイルスに負けない高い免疫力をつけるのナァ!
と、意気込むのは良いですが、まずは免疫力とは何かを理解するのが先です。
新型コロナウイルスにも負けないためにも、しっかり学んで行きましょう!
免疫力の定義
「免疫力を高めよう!」というワードはよく耳にします。ところで免疫力って何でしょう? まずは定義から正しく理解しておきましょう。
免疫力の定義は以下です。
体の中に病気の原因となるような異物が侵入したとき、
あるいは
がん細胞のように体の中の細胞が異常な事態に陥ったとき、
それらを除去する自己防衛システムのこと

すごいシステムだナァ、体の中にPAC-3(パックスリー)でも配備されてるのかナ?

某国からのミサイルを撃墜するためのPAC-3(パックスリー)は体の中に配備されていませんが、その代わりとなるような防御機能は備わっています。
その名も「白血球」です。名前は聞いたことがあるでしょう。
この白血球のなかの
・マクロファージ
・顆粒球
・リンパ球
という3つの成分が敵をやっつけてくれる主力部隊になります。
マクロファージは常に体内をパトロールし、異物や異常があればすぐに攻撃、異物除去の初動対応を行います。そして、相手に合わせて援軍を要請するのです。
相手が細菌などの大きな相手の場合、顆粒球が駆けつけて主力部隊となります。
ウイルスなどのより小さな相手の場合、リンパ球が駆けつけて主力部隊となります。
この白血球中の3つの成分がいわゆる「免疫力」の柱になるというわけです。

ハッケッキュウの3成分! 「PAC-3」ならぬ「ハッケ-3」だナ!
白血球をコントロールする自律神経とは?

異物をやっつけてくれる白血球は、いわば現場で活躍する軍隊です。軍隊は単体で活動することはできません。白血球をコントロールする司令部が必要となります。
その役目を担うのが自律神経です。
自律神経は「うつ病」などとも大きく関係します。自律神経とは何かについて説明しましょう。
人間の体は自分の意思で動かせる部分と、そうでない部分があります。手足は自分で動かすことができますよね。しかし、心臓や胃腸など、内臓は自分の意思で動かすことができません。

心臓を自分の意思で動かさなきゃいけなかったら大変だナ! うっかり動かし忘れて何度も死にかけそうだナァ!
つまり、内蔵などの器官は自分の意思とは無関係に自律しているということになります。
これらの自律した器官をコントロールする神経、これを自律神経と呼ぶわけです。
交感神経と副交感神経
さらに自律神経には2種類が存在します。
・交感神経
・副交感神経
この2つは正反対の役割を担います。
主に昼間に働くのが交感神経です。交感神経は体の興奮状態を作ります。起きている時間、明るいうちは活動的になる必要があるからです。
そして、この交感神経が上述した白血球の中の顆粒球を分泌します。
一方で副交感神経は主に夜間に働きます。副交感神経は体のリラックス状態を作ります。昼間の興奮状態を終息させ、明日に向けての体力回復に作用するのが副交感神経です。
そして、副交感神経はリンパ球の方を分泌します。
よく自律神経の乱れが「うつ病」を招くと言われます。その理由も、上記を知れば理解しやすくなるはずです。
自律神経の乱れというのは、交感神経と副交感神経の働きが乱れるということです。正常な状態とは逆に、昼間に副交感神経が働いて、夜に交感神経が働いたりします。
そうすると、まだ明るいうちなのに急に眠くなったり、一方、就寝すべき夜に眠れなくなったりするのです。昼夜逆転に陥り、仕事のパフォーマンスなどが低下してしまいます。

昼:仕事したいのに眠いナァ…
夜:寝たいのにギンギンだナァ!
こうなってしまうと、ストレスがストレスを呼ぶ悪循環に。こうして、どんどん「うつ病」の症状を引き起こしていくわけです。
自律神経の安定は、免疫力を高めると同時に心のバランスを整える、大変重要なことだと認識しておきましょう。
顆粒球とリンパ球、それぞれの役割分担

さて、なぜ交感神経から顆粒球、副交感神経からリンパ球が分泌されるのでしょうか。
すでに書いたように、顆粒球は比較的大きな細菌などと戦う役割を担います。リンパ球は小さなウィルスなどを相手にします。
この点を踏まえて、それぞれの役割分担を考えてみましょう。
交感神経から顆粒球が分泌される理由
ここで、人間の長い歴史を遡ってみましょう。今でこそデスクワークなどが存在しますが、私達人類は長い間、昼間は狩りをしたり、田畑を耕したりして生き抜いてきました。
ジャングルの中で狩りをしている最中なら、擦り傷や切り傷は絶えなかったはずです。田畑には噛み付く虫や蛇もいたでしょう。その際に傷口から、いの一番に侵入してくるのが細菌です。
よって、交感神経が働く昼間の興奮状態では、細菌と戦うことができる顆粒球が分泌されるようになったと考えられています。
副交感神経からリンパ球が分泌される理由
昼間に侵入してきた細菌は顆粒球がやっつけました。しかし、より小さなウィルスの侵入は食い止められなかった可能性があります。
彼らは細菌よりも遥かに小さく、見つけにくい存在です。体の中に潜伏しているうちに発見し、駆除しなければなりません。
スーパーに万引き犯がいたとします。店が開店中の昼間、他の客がたくさんいる中にまぎれている場合と、閉店後の誰もいない店内に忍び込んでいる場合、どちらが見つけやすいでしょうか?
当然、後者ですよね。同じ理屈で、体が活動的に動いているときよりも、静かにしているときの方が、異常を発見しやすいわけです。
リンパ球は副交感神経が働く、体がリラックスしている状態のときにパトロールをします。そこでウィルスを見つけてやっつけるわけです。
以上が、それぞれの役割分担の理由と考えられています。
ちなみに手強いウイルスが侵入してきたときは、たとえ昼間でも脳が倦怠感や熱を出して体に休めと指示を出します。体を休ませることによって交感神経を休ませ、副交感神経を働かせます。
明るいうちでもリンパ球を分泌させることができるからです。

よくできてるナァ。ポケモンみたいだナァ!
戻れ!顆粒球!
いけ!リンパ球!
このように人間の強い味方である顆粒球とリンパ球ですが、注意すべき点もあります。
どちらも数が増えすぎると逆に体内に悪影響を及ぼすことがあるのです。
双方、戦うことがとても好きな性分です。細菌やウイルスなどの相手がいるときは問題ありません。ですが、そうでないときに過剰分泌されてしまうと、自分の体を傷つけはじめてしまうのです。
免疫力が高い体というのは、両者が程よいバランスで体内に常駐している状態と言えます。
顆粒球型の人間とリンパ球型の人間

顆粒球とリンパ球には振り子のような関係があります。一方が多量に分泌されると、その後にもう一方も多量に分泌されるのです。
例えば、バンジージャンプなどで過度の緊張を味わった人は、飛び終えた後によくお腹を下すことがあります。
これは飛ぶ前の交感神経が働いた緊張状態のときに顆粒球が大量に分泌され、飛び終わった後にその緊張をほぐすため、副交感神経が働いてリンパ球が大量に分泌されたからです。
副交感神経は排泄を促す役割も担っています。
バンジージャンプだけでなく、人前でのプレゼンなどで緊張して、お腹を下す人もいます。また、極度の緊張で眠気に襲われるという人もいます。
これも、緊張状態を平常に戻そうと副交感神経が過度に働いていて、それが排泄行為や眠気につながっているわけです。
以上のことから、お腹をよく壊す人、緊張すると眠くなる人は副交感神経型の人間と言うことができます。
同じ理屈でまとめると、以下のようなことがわかってきます。
・交感神経の働きが多い人
顆粒球型の人間
↓
便秘気味(常に緊張状態)
↓
痩せ型の人やダイエット中の人に多い
・副交感神経の働きが多い人
リンパ球型の人間
↓
下痢気味(眠気に襲われることが多い)
↓
ふくよかな人や運動不足の人に多い
すでに説明したとおり、免疫力とは自律神経のバランスです。自分がどちらのタイプの人間かを把握しなければ、免疫力を高める対策は取れません。
健康オタクの勘違い

よく、健康オタクの人がやりがちな勘違いがあります。
顆粒球型人間がやりがちなこと
自分が既に顆粒球型の人間なのにも関わらず、さらに体を強くしようと過度な運動で自分を追い込むケースがあります。これは、免疫力という意味合いにおいては逆効果です。
運動は体を緊張させる行為になるので、交感神経をさらに奮い立たせることになります。結果、顆粒球過多でリンパ球が不足していきます。
筋肉はつくので強くなったような気になりますが、結果として体内の免疫力は低下している可能性があるのです。
屈強なトップアスリートは、意外に風邪をひきやすいというデータがります。ウイルスを退治するリンパ球が不足しているからと考えると、つじつまが合うでしょう。
参考記事:日経ヘルス アスリートは風邪をひきやすいhttps://style.nikkei.com/article/DGXMZO51542960Z21C19A0000000/
リンパ球型人間がやりがちなこと
一方、普段からお腹を下し気味なリンパ球型の人が、健康のために食物繊維のサプリを飲んだり、お酢を飲んだりするケースも間違いです。
食物繊維やお酢は体に良いものとして知られていますが、それは主に消化を助けてくれるから。摂取しすぎると、必要な栄養素まで排出してしまいます。
リンパ球型の人は、排便を促す要素を取り入れる必要はありません。むしろ、運動を取り入れるなどして交感神経を働かせる緊張状態を作り、顆粒球を増やすべきと考えられます。
運動不足の人が運動はせずにサプリメントなどで健康を手に入れようとすると、それは逆効果で、むしろ免疫力を低下させているのかもしれないのです。
自分のタイプを正しく知って免疫力アップ!
いかがでしたか?
一般的に健康に良いとされる運動やサプリメントも「メカニズムを知った上で、自分に合った対応を取捨選択しなければ意味がない」ということが理解できたのではないでしょうか。
自律神経を正しく理解して、ぜひ交感神経と副交感神経をバランス良く働かせましょう。

顆粒球を出すナァ!
次はリンパ球だナァ!
トドメは肉球の手入れだナァ!
(ペロペロペロ!!!)
最後に、自律神経は人の心(気分)に大きく作用されるようです。
「病は気から」という言葉がありますが、気分が落ち込んでいると自律神経は乱れてしまいます。自律神経の乱れが免疫力を低下させることは、ここまで説明したとおりです。
つまり、「病は気から」は嘘でも迷信でもなく、事実というわけですね。
一方で「笑い」や「嬉しい」「楽しい」という感情は免疫力を高めるそうです。
暗いニュースも多いですが、ポジティブに明るく楽しく、元気に笑って生きましょう。それが何よりも免疫力を高める方法であり、コロナウイルスへの予防策かもしれません。

暗いニュースには負けないナァ! それでは、またナァ!

