
吾輩はフリーランス猫である。仕事はまだ、それほどない。この社会を自由に生きられる方法を拾い集めている真っ最中である。

みなさん記憶力は、良いですか?
私は正直、あまり良いほうではありません。すぐに忘れちゃうんですよ。
自分に都合の悪いことなんてすぐ忘れます(笑)

この前貸した1000円…

…え?Σ(・ω・ノ)ノ!
私の友人は皆、記憶力がいいんですよね。飲み会で私が放送禁止用語を連発した失態を、いつまでもしつこく覚えていたりします。頼むから忘れてくれぇ〜…
さてさて、いろいろなことをすぐに忘れられるというのはメリットもありますが、フリーランスとして生きていく場合、記憶力は良いに越したことはありません。仕事だけでなくスケジュール管理から会計から、何もかもを自分でやっていくわけですからね。
フリーランスでなくても、様々な業務や、資格試験など、高い記憶力は誰もがほしいものだと思います。
今回は、生まれ持った能力や年齢に関係なく、一度覚えたことを忘れない記憶術についてお話します。
記憶力が低いことを嘆く必要はない
昔から暗記が苦手だった…。そんなコンプレックスを抱いている人も多いと思います。
記憶力に自信がないと、学習意欲も下がってしまいますよね。
しかし、安心してください。
物事を忘れやすいというのはむしろ脳がちゃんと機能している証拠だそうです。
人が毎秒得る情報というのは思った以上に量があります。
街を歩けばお店の看板がいたるところに出ています。毎日違う空の色や雲の形。知らない人たちの会話や、その場の臭い。人間は常にそれらを認識したり感じ取ったりしているわけですが、これらすべてを記憶していたら脳はあっという間にパンクしてしまいます。
人間の脳は、そもそも自分にとって「重要なものだけ」を覚えるようにできているのです。その他の余計な情報は記憶しません。
試しに記憶力の良いと言われる人にスマホの画面に並んでいるアプリの順番を聞いてみてください。ほとんどの人は正確に答えられないはずです。
スマホの画面なんて大抵の人は毎日、長時間眺めているものです。それでも覚えていません。なぜなら「覚える必要がないから」です。
記憶力が悪いというのは脳の処理が早く、合理的に生きているとも言えるのです。
裏を返せば、目の前の情報が自分にとって「重要である」と認識することができれば、自然に記憶力は上がっていくというわけです。


記憶力向上のカギは正しい「復習」

復習してやる… 絶対に、復習してやる……!!
参考書や資料に向かってつぶやくとバカバカしくて楽しいですよ(笑)
記憶力は生まれついた能力の差よりも「記憶のやり方」によって効果が大きく異なってくるという研究結果が出ています。つまり、
記憶力は才能ではなくテクニックなのです。
その中でも一番大切なのが「復習」となります。
復習を正しいやり方で行うことで、記憶力は大幅にアップしていくのです。
例えば何かしらの資格試験の勉強のため、参考書を買ったとします。多くの人が目標設定を「その1冊をやり終えること」としてしまいます。そうして復習をおろそかにすると、どうなるでしょうか。

参考書1冊やり終えたナァ!

おつかれー! どんな知識が身についたんだい?

覚えてないナァ!!
笑い話ですが、よくあるケースです。やり終えることだけが目標になってしまい、再度最初から問題を解こうとしても、忘れてしまっているわけです。
これではやり遂げた実感を得られず「自分には学習の才能がない」と、モチベーションが下がってしまいます。
復習を繰り返すことは、やり終えるまでの時間を長くしてしまいます。しかし、一周目を終えて結局なにも覚えておらず、また最初からやり直すよりは遥かに近道だということを覚えておきましょう。

エビングハウスの忘却曲線
大切な「復習」にも、効果的なやり方があります。がむしゃらに反復するだけが復習ではありません。きちんと学習内容を前進させながら、効率的に復習ができる方法を身につけておきましょう。
「エビングハウスの忘却曲線」をご紹介します。

ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウス氏による、記憶力に関するデータです。
これにより分かるのは人は1度記憶したことを1時間後には56%忘れているということです。ただ、2時間後に数値がその倍になるかというと、そうではありません。数値は徐々に穏やかになって、24時間後の忘却数値は74%となっています。
つまり、記憶の忘却は最初の1時間で急速に進み、そこからは徐々に忘れていく、ということになります。
56%を忘却した1時間後の状態は「うろ覚え」といえます。このタイミングで一度「復習」を行うと、翌日以降までの記憶力が格段に伸びます。英単語などを学ぶ場合、ノルマの単語を覚えたら、1時間後にもう一度「復習テスト」をすると効果的です。
この忘却曲線を利用して導き出された復習による最も効率的な記憶法は以下となります。
記憶した後の「一時間後」
そして「当日の就寝前」
つづいて「3日後」
最後に「2週間後」
です。とくに就寝前の復習は、脳に記憶を定着させる絶好の機会と言われています。
3日後、2週間後の復習も就寝前に行うと良いでしょう。
これくらいのペースで復習を繰り返せば、覚えるべき情報が長期記憶となって脳に刻み込まれやすくなります。
情報のカテゴリー分けで記憶力アップ!
パソコンに情報を保存するときは、きちんとフォルダ分けをすることが大切です。
もし情報の整理整頓ができていないと以下のようなことに…

後輩猫くん、プロジェクターに資料の情報を表示して

了解ナァ!
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画面いっぱいにエ○画像
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ナアアアァァァァ!

ナアアアァァァァ!
資料、文書、グラフ、画像、分けてきちんと整理しないからこんなことになります。相手が私、フリーランス猫だったから良かった(嫌いじゃないw)ものの、会社だったらセクハラで訴えられかねません。
実はパソコン上のフォルダ整理のようなことは、人間の脳内でも起きています。
あらゆる情報は無意識にカテゴリー分けされています。その証拠に、脳に何らかの障害を持った人の中には「家具の名前だけが思い出せない」「キッチン用具の名前だけが覚えられない」などといった症状が出ることがあります。
情報のカテゴリー分けをきちんと行うことで、記憶が整理整頓されて忘れにくくなります。具体例を挙げましょう。次の文章を記憶しようとします。
・私達の体は長い時間酷使されるとグリコーゲンが減少し、痛覚を刺激されます。すると、脳はそのストレスを軽減させるためにエンドルフィンを分泌します。これによってランナーズハイのような症状が生まれます。
上記文章をそのまま丸暗記しようとしても、すぐに忘れてしまいます。
キーワードを抜き出してカテゴリー分けをしてみましょう。
グリコーゲン→代謝に必要な物質
エンドルフィン→脳内ホルモン(脳内麻薬)
ランナーズハイ→長時間ランニングで気分が高揚する症状
このように分けて記憶します。そうすると、文章全体を思い出せなくても、上記3つのワードを思い出しただけで、覚えたかった文章がどのような内容だったかを頭の中で組み立てることができます。
これはメモを取るときにも活かせます。
文章を丸写しするのではなく、キーワードを抜き出してカテゴリー別、ジャンル別にツリーのような形でメモをしていくのです。

「メモリーツリー」という呼ばれ方をするものですが、難関大学を突破するような有能な人たちがよくやるメモの取り方です。
映像記憶と感情記憶でしっかり覚える
あらゆる情報は頭の中で「映像化」すると、記憶しやすくなるという研究結果が出ています。映像化するというのは情報を「意味記憶」から「エピソード記憶」に変換するという処理になります。
意味記憶というのは読んでそのままの処理です。
例えば、歴史上に起きた出来事を教科書に書かれているとおりに覚える、というような記憶のやり方です。
しかし、実際に会ったこともない歴史上の人物たちのことを文字だけの情報で記憶しようとしても、なかなか覚えられません。
そこで歴史上の人物たちをリアルに自分が知っている人たちに置き換えます。織田信長を自分の勤めるブラック企業の社長、外面は良いけど飲み会では社長の悪口ばかり言っている部長を明智光秀、このように頭の中で想像すると、記憶にかなり残りやすくなります。
また、記憶力はポジティブな精神状態だと向上するという結果が出ています。映像化するときにはぜひ、楽しげな物語にすると良いでしょう。
たとえば「金」の元素記号は「Au」です。水銀は「Hg」です。
黄金に囲まれた大金持ちがauのスマホを持って談笑しています。その様子をお笑い芸人のHGさんが毒素の強い水銀を持って苦々しく見ている―
このように面白おかしく映像化して記憶すると、忘れにくいと思います(笑)
まとめ
いかがだったでしょうか?
記憶力は正確な復習とカテゴリー分けと映像化で格段にあがります。
これらの記憶術、実は人間が自然にやっているものだったりもします。
いつまでも忘れられない記憶って、定期的に思い出していませんか? また、それらの記憶は嬉しい記憶、嫌な記憶、に自然にカテゴリー分けされていますよね。そして思い出すときはいつだって、映像として頭の中で再生しているはずです。
この記憶処理を偶然の経験ではなく、学習に活かせたら、記憶力が格段に上がります。
ぜひお試しください^^

それでは、またナァ!
