
吾輩はフリーランス猫である。仕事はまだ、それほどない。
この社会を自由に生きられる方法を拾い集めている真っ最中である。
読書は人生を豊かにする。本を読むのはステキなことだと、よく言われます。だからフリーランス猫もよく本を読みます。
ふむふむ…

ふむふむ、ふむふむ…
ふぅ…

あぁ、前も似たような本読んだナァ…。
皆さん、このような経験ありませんか?
本を読むのは素晴らしいこと、この考えに異論はありません。私も読書からは様々な影響を受けてきました。
ただ、読書が一定量に達すると、好みが偏ってきます。そうすると、
読み終えたは良いけれど、得るものが何もなかった!
という結果になることも。これではせっかく読書に費やした長い時間が全部ムダになってしまいます。
そこで今回は、私が実践している読書の幅を広げる方法をご紹介します!
主観と客観を理解する
読書の幅を広げるには「主観」と「客観」を正しく理解することが大切です。また、この能力を身につけると、本の楽しみ方にいろいろなバリエーションを付けられますよ!
主観とは何か?
「主観」というのは書いて字のごとく、主が観て感じることです。読書であれば本の主、つまりあなた自身です。読書において、主観を意識する必要はそれほどありません。
なぜなら、主観はあなたが感じたままのものだからです。主観はどうだろう? などと悩む必要はありません。大切なのは「客観」の方です。
客観とは何か?
読書に大切なのは「客観」です。客観的な見方ができること、それがすなわち「読書力」と言っても過言ではありません。
では「客観」とはなんでしょうか。それは
誰が観ても変わらないモノ
です。たとえば目の前に女性が立っていたとします。

主観
彼女を見て「美しい人だな」と感じること。これは「主観」です。その女性が美しいかどうかは、人それぞれの好みによって変わります。
客観
彼女を見て「髪の長い人だな」と感じること。これは「客観」になります。実はその女性、髪が背中の下半分辺りまで伸びていました。その場合、誰が見ても「髪が長い人」だと思いますよね。
「主観」は、いろいろな見方ができます。一方「客観」は評価が変化しないものとなります。これを覚えておいてください。
客観力が読書の幅を広げる理由
なぜ読書に「客観力」が必要なのでしょうか。それは、そもそもの読書の目的を理解すると分かります。
皆さんは、なんのために読書をしますか? 自分が楽しむための娯楽という目的もあるでしょう。そのようなジャンルの読書は主観的でもかまいません。
しかし、大半の読書の目的は今まで自分が知らなかった価値観や、新しい考え方を身につけるという成長にあるのではないでしょうか。
それはすなわち、他人の考えに触れ、それを自分の中に取り込むということです。
だからこそ客観力を身につけることが大切なのです。主観的な読書は、結局自分の殻から抜け出せない読書法となってしまいます。

客観的な読書ができるようになる一番良い方法
客観的な読書ができるようになる最も簡単な方法をご紹介します。
それがベストセラーを読み尽くすです。
売れているものばかりに手を出すのは「ミーハーな感じがする」と、抵抗を示す人もいます。私もかつてはそうでした。ただこの考えが既に、物事を主観的に見てしまっています。
つまり「大勢の人が群がる作品は、自分には合わない」という、自分目線の考え方です。
こういう人は結局、自分の好きなジャンルの本ばかりを読んでしまいます。
読んでいるときは気持ちが良いかもしれませんが、視野の広がりであったり、新しい価値観を学ぶような成長にはつながりません。
ベストセラーを読むべき理由
主観性から一旦離れて、ベストセラーというものを客観的に分析してみましょう。ベストセラーとはつまり、売れているということ。すなわち、
大勢の人にウケる理由がある。
ということです。良いか悪いか、面白いか面白くないか、という「主観」は無視しましょう。その本が「売れている」という客観的な事実にのみ注目してください。
その本を読むのは「ウケる理由」を、探すためです。
面白くない本に出会ったら当たり
読書家の中には「面白くない本はその場で閉じてしまってかまわない。読むべき本ではないということだ」と、主張する人もいます。
一理あるとは思いますが、ベストセラー本にかぎっては私はそうではないと思います。
むしろ、ベストセラー本の場合は、面白くないものを手にしたときほど「当たり」です。
「主観」で読んで「面白くない」と感じる。
しかし「客観」的には売れている。
そこには間違いなく、自分が気づいていない価値がその本にあるということです。
面白いと感じる本であれば、売れて当たり前だと思いますよね。面白くないのになぜ売れているのだろう? と、考えることがまさに「客観力」を磨く絶好の機会になるわけです。
ベストセラー本のメリット
自分で何度もその本を読み返して、どこに「売れる要素があるのか?」と研究するのも良いでしょう。しかし、主観で「面白くない」と感じてしまった本を、何度も読み返すのは苦痛かもしれません。
そのような場合は、レビューを参考にしましょう。
幸いベストセラー本は多くの人に読まれているので、口コミの数もたくさんあります。その本のどこに感銘を受けたのか、何が良かったのか、たくさんの読者がレビューを書いているはずです。
レビューを読むときもぜひ「客観力」を意識してください。
一喜一憂せず、冷静に高評価と低評価の意見を分析しながら、その本が売れた理由を探してみましょう。そうして「主観」を拭い去ることができたら、もう一度その本を読み返してみてください。
初見のときとは違った、読書の楽しみ方ができるはずです。
客観力こそが成功の鍵
世の成功者の多くが「客観力」に優れています。成功者に読書家が多いのも「客観力」を鍛えられるからかもしれません。
売れる商品やヒットする作品、すべては「客観力」に優れたものです。
よくある「反対意見」への答え
「人の目ばかりを気にしていたら疲れる」
「独自の世界観を貫いて成功している人もいる」
たまにそう反論してくる人もいます。しかし、この主張は多少論点がズレています。
客観力を身につけることと、その能力をどう使うかはまた別の話です。

人の目を気にせず生きるのも素晴らしい生き方です。しかし、客観力を養った上でそうしているのか、ただ自分の思う通りに生きているのかでは雲泥の差があります。
独自の世界観についてはそもそも、客観力がなければ作り上げられません。客観的に見て、自分の世界観が唯一無二であることを理解しているからこそ、オリジナリティを追求できるのです。
客観力を身につけて、大勢の人が喜ぶヒット作を生み出す。
客観力を身につけて、それまでにない新しい喜びを提供する。
生み出されるものに違いはありますが、大切なのはやはり「客観力」です。上記2文の冒頭を「主観」に変えてみましょう。
主観で、大勢の人が喜ぶヒット作を生み出す。
主観で、それまでにない新しい喜びを提供する。
これで成功するのは、かなり難しいですよね。
読書の幅が、あなたの客観力
客観力がいかに大切か、おわかりいただけたかと思います。
その客観力を養うのが、まさに「幅広い読書」です。人は人生を自由に生きるべきですが、それぞれの「選択」はあなたの「客観力」に縛られています。
目の前の課題に対し「A」という考えしか持てない人は、ひとつの選択しかできません。「A」「B」「C」と、様々な客観的見方を持っている人こそ、その先の「主観」によって自由な選択ができるのです。
本を読むのは素晴らしいことです。せっかく読書をできる力があるのですから、その幅を広げて、どんどん自分を成長させたいですね。

それでは、またナァ!